-
00
チューリングテストとAIの萌芽 — 概要
チューリングテストの提唱からダートマス会議・初期AIプログラム・哲学論争までを辿る入門ガイド
-
01
AI史 — チューリングテストからLLMまでの通史
1950年論文、ダートマス会議、AIの冬、エキスパートシステム、深層学習、大規模言語モデルへの流れ
-
02
アラン・チューリング — 生涯と業績の全体像
ケンブリッジ、プリンストン、ブレッチリー・パーク、マンチェスター大学、計算機科学の父の足跡
-
03
「計算する機械と知性」 — 1950年Mind誌論文
模倣ゲームの提案、機械は考えられるかの問い直し、デジタル計算機、離散状態機械の議論
-
04
模倣ゲーム — チューリングテストの原型設計
質問者・男性・女性の三者ゲーム、機械への置換、テレタイプ越しの対話、5分間の判定基準
-
05
九つの反論 — チューリング自身による想定反駁
神学的反論、数学的反論、意識からの議論、ラブレス夫人の反論、超感覚的知覚まで9種の検討
-
06
チューリングマシン — 計算可能性の数学モデル
1936年論文、テープと状態遷移、万能チューリングマシン、計算可能数、停止問題の基礎
-
07
決定問題とチャーチ=チューリングのテーゼ
ヒルベルトのEntscheidungsproblem、ラムダ計算、帰納的関数、計算モデルの等価性
-
08
ブレッチリー・パーク — 暗号解読と戦時計算
エニグマ暗号、Bombe、Colossus、政府暗号学校、第二次大戦の暗号戦と計算機前史
-
09
ACE — チューリングの自動計算機関設計
国立物理学研究所NPL、1945年ACE報告書、Pilot ACE、プログラム内蔵方式の先駆的設計
-
10
Turochamp — 手計算で動いたチェスプログラム
チューリングとチャンパーノウンの共作、紙上シミュレーション実行、評価関数と先読みの原型
-
11
ダートマス会議 — 「人工知能」の語の誕生(1956)
夏季研究会提案書、マッカーシー、ミンスキー、ロチェスター、シャノン、AI研究分野の成立
-
12
ジョン・マッカーシー — AI命名者と形式化の探究
LISP開発、状況計算、常識推論の形式化、スタンフォードAI研究所、タイムシェアリング構想
-
13
マービン・ミンスキー — MIT AI研究の指導者
フレーム理論、『心の社会』、SNARC神経網機械、MIT AIラボ創設、知能の多元的理解
-
14
クロード・シャノン — 情報理論とチェスの数理
通信の数学的理論、1950年チェスプログラミング論文、迷路学習マウス「テセウス」、ビット概念
-
15
ニューウェルとサイモン — 認知の情報処理モデル
カーネギー工科大学、人間の問題解決研究、プロトコル分析、ノーベル経済学賞、チューリング賞
-
16
サイバネティクス — ウィーナーの制御と通信の科学
フィードバック制御、ホメオスタシス、『サイバネティックス』1948年、機械と生体の統一理論
-
17
マカロック=ピッツモデル — 形式ニューロン(1943)
神経活動の論理計算、閾値素子、命題論理との対応、ニューラルネットワーク理論の出発点
-
18
ヘッブの学習則 — シナプス可塑性の原理(1949)
『行動の機構』、同時発火する細胞は結合を強める、セル・アセンブリ、学習理論の神経基盤
-
19
パーセプトロン — ローゼンブラットの学習機械
1958年発表、Mark I パーセプトロン、重み学習則、線形分離、パターン認識への期待と熱狂
-
20
『パーセプトロン』批判 — ミンスキーとパパート(1969)
XOR問題、線形分離不可能性の証明、単層網の限界、ニューラルネット研究停滞への影響論争
-
21
ロジック・セオリスト — 最初期のAIプログラム(1956)
ニューウェル・サイモン・ショー、『プリンキピア・マテマティカ』定理の自動証明、ヒューリスティック探索
-
22
GPS — 一般問題解決器と手段目標分析
General Problem Solver、手段目標分析、差の削減、問題空間、汎用推論への最初の挑戦
-
23
物理記号システム仮説 — 記号主義AIの綱領
ニューウェルとサイモンの1976年チューリング賞講演、記号操作と知能の十分条件・必要条件論
-
24
サミュエルのチェッカー — 「機械学習」の語の初出
IBM 701、自己対戦学習、評価関数の重み調整、ロート学習、1959年論文と機械学習の命名
-
25
ELIZA — ワイゼンバウムの対話プログラム(1966)
パターンマッチと置換規則、DOCTORスクリプト、来談者中心療法の模倣、MITでの開発
-
26
ELIZA効果 — 機械への擬人化と過信の心理
浅い応答への意味の読み込み、秘書の逸話、擬人化バイアス、現代チャットボットへの継続的教訓
-
27
PARRY — 偏執病患者シミュレーション(1972)
精神科医コルビーの開発、感情状態モデル、精神科医による判別実験、ELIZAとの対話記録
-
28
SHRDLU — 積み木世界の自然言語理解
ウィノグラードの開発、ブロックワールド、構文・意味・世界知識の統合、手続き的意味論
-
29
マイクロワールド戦略 — 限定領域での知能研究
積み木世界、幾何学的類推、限定ドメインでの完全理解、スケールアップの困難という教訓
-
30
ジョージタウン実験 — 機械翻訳の華々しい出発(1954)
IBM 701での露英翻訳デモ、60文の翻訳、語彙250語、機械翻訳への過大な期待の起点
-
31
ALPACレポート — 機械翻訳予算削減の転機(1966)
米国科学アカデミー報告書、機械翻訳の費用対効果批判、研究資金停止、計算言語学への転換
-
32
ライトヒル報告 — 英国AI研究への批判(1973)
組合せ爆発の指摘、ロボット工学と汎用AIへの悲観、英国研究会議の資金削減、BBC公開討論
-
33
第一次AIの冬 — 期待の崩壊と資金の枯渇
1970年代の研究縮小、DARPA方針転換、過剰な約束の反動、ブームと冬のサイクル構造の始まり
-
34
GOFAI — 記号主義AIという方法論の成立
Good Old-Fashioned AI、記号表現と規則、探索と論理、コネクショニズムとの対比軸
-
35
ヒューリスティック探索 — 初期AIの中心手法
状態空間、生成検査法、山登り法、幅優先・深さ優先、組合せ爆発と評価関数による剪定
-
36
A*アルゴリズム — 最良優先探索の定式化(1968)
ハート・ニルソン・ラファエル、許容的ヒューリスティック、経路探索、SRIのロボット研究から誕生
-
37
ミニマックス法とα-β枝刈り — ゲーム木探索の基礎
ゲーム理論的評価、二人零和ゲーム、枝刈りによる探索効率化、チェス・チェッカーへの適用
-
38
LISP — AI研究を支えたプログラミング言語
マッカーシーの設計(1958)、S式、再帰、ガベージコレクション、シンボル処理、LISPマシン
-
39
IPL — リスト処理言語の先駆
ニューウェル・ショー・サイモンの情報処理言語、リスト構造、ロジック・セオリスト実装基盤
-
40
MIT Project MAC — タイムシェアリングとAI研究拠点
1963年発足、CTSS、Multics、AIラボの母体、対話型計算環境がAI実験を可能にした経緯
-
41
スタンフォードAI研究所 — SAILと西海岸のAI研究
マッカーシーによる1963年創設、ロボットアーム研究、初期ビジョン研究、SRIとの関係
-
42
初期チェスプログラム — バーンスタインからMac Hackへ
IBM 704のバーンスタインプログラム、NSSチェス、グリーンブラットのMac Hack VI、人間との初対局
-
43
コンピュータチェスの系譜 — Deep Blueまでの道(〜1997)
Chess 4.x、Belle、Deep Thought、カスパロフ対Deep Blue、専用ハードと探索深度の進化
-
44
Shakey — 世界初の汎用移動ロボット
SRI International、視覚・計画・行動の統合、STRIPS、A*、1966-72年の開発、LIFE誌報道
-
45
STRIPS — 自動プランニングの古典的枠組み
フィケスとニルソン、前提条件・追加・削除リスト、演算子による状態変換、行動計画の形式化
-
46
意味ネットワーク — クィリアンの連想的知識表現
概念ノードとリンク、is-a階層、活性化拡散、意味記憶モデル、知識グラフの源流
-
47
フレーム理論 — ミンスキーの知識表現(1974)
ステレオタイプ的状況の表現、スロットとデフォルト値、継承、オブジェクト指向への影響
-
48
スクリプト理論 — シャンクの物語理解研究
レストランスクリプト、概念依存理論、物語理解プログラム、期待に基づく推論、CD理論
-
49
DENDRAL — 最初期のエキスパートシステム
スタンフォード大学、質量分析による分子構造推定、ファイゲンバウムとレダーバーグ、領域知識の力
-
50
MYCIN — 医療診断エキスパートシステム
細菌感染症の診断と抗生剤推奨、確信度因子、後ろ向き推論、ルールベース、説明機能の先駆
-
51
知識工学 — ファイゲンバウムと知識の時代
知識獲得ボトルネック、知識は力なりの標語、エキスパートシステム産業化、第五世代への影響
-
52
中国語の部屋 — サールの思考実験(1980)
規則書による記号操作、理解なき応答、強いAI批判、システム応答・ロボット応答などの反論群
-
53
強いAIと弱いAI — 心を持つ機械をめぐる区分
サールによる用語法、道具としてのAIと心そのものとしてのAI、志向性、意識の帰属問題
-
54
ドレイファスのAI批判 — 現象学からの異議
『コンピュータには何ができないか』、暗黙知、身体性、規則化できない熟練、ハイデガー的批判
-
55
ワイゼンバウムの警鐘 — 『コンピュータ・パワー』(1976)
ELIZA開発者自身による倫理的反省、判断と計算の区別、機械に委ねてはならない決定の議論
-
56
ローブナー賞 — チューリングテストの競技化(1991)
ヒュー・ローブナー創設、年次チャットボットコンテスト、限定テストの功罪、批判と論争
-
57
Eugene Goostman論争 — テスト合格主張の検証(2014)
13歳ウクライナ少年という設定、レディング大学イベント、30%基準の解釈、合格報道への批判
-
58
CAPTCHA — 逆チューリングテストの実用化
人間と機械の判別、歪み文字認識、reCAPTCHA、画像選択課題、機械の突破と課題の高度化
-
59
トータルチューリングテスト — 身体を含む拡張提案
ハーナッドによる拡張、知覚と運動能力の要求、ロボット的能力、言語のみのテストへの批判
-
60
ウィノグラード・スキーマ — 常識推論の代替テスト
代名詞照応の曖昧性解消、常識知識の要求、統計的手掛かり排除の設計、LLMによる攻略
-
61
記号接地問題 — ハーナッドの提起(1990)
記号の意味は記号操作だけで生じるか、中国語辞書の循環、知覚との接地、身体化認知への接続
-
62
フレーム問題 — 変化しないことの推論困難
マッカーシーとヘイズの定式化、行動の副作用の列挙爆発、デネットのロボット寓話、非単調推論
-
63
常識知識の獲得 — Cycプロジェクトの挑戦
レナートによる大規模知識ベース構築、手作業の公理記述、常識の明文化の困難、数十年の継続
-
64
バベッジと解析機関 — 機械計算の構想(19世紀)
階差機関、解析機関、パンチカード制御、蒸気駆動の計算、プログラム可能機械の先駆的設計
-
65
エイダ・ラブレス — 最初のプログラマと「反論」
解析機関の注釈、ベルヌーイ数の計算手順、機械は独創しないという見解、チューリングの応答
-
66
機械論の哲学 — デカルトからラ・メトリへ
動物機械論、言語による人間と機械の区別、『人間機械論』、思考する物質をめぐる近世の論争
-
67
オートマタの歴史 — 機械人形と「トルコ人」
ヴォーカンソンのアヒル、からくり人形、チェス指し人形トルコ人の種明かし、機械知性への憧憬
-
68
ゴーレムとフランケンシュタイン — 人造物の想像力
ユダヤ伝承のゴーレム、シェリーの小説、創造物の反逆という主題、AI言説への文化的影響
-
69
R.U.R.と「ロボット」の語源 — チャペック(1920)
チェコ語robotaに由来、人造労働者の反乱劇、ロボットという語の世界的普及、SFの原型
-
70
アシモフのロボット工学三原則 — SFと機械倫理
『われはロボット』、三原則の内在的矛盾を描く短編群、ロボット倫理・AI安全性議論の原点
-
71
フォン・ノイマン — プログラム内蔵方式と自己複製
EDVAC報告書、ノイマン型アーキテクチャ、自己複製オートマトン理論、ゲーム理論への貢献
-
72
ENIACからEDSACへ — 電子計算機の黎明期
真空管計算機、弾道計算、プログラム内蔵方式の実現、Manchester Baby、EDSAC稼働
-
73
マンチェスター大学とチューリング — Mark Iでの晩年
Manchester Mark I、プログラミングマニュアル執筆、形態形成の数理研究、晩年の関心の広がり
-
74
チューリングの形態形成論 — 反応拡散系の研究
1952年「形態形成の化学的基礎」、チューリング・パターン、縞と斑点の数理、生物学への遺産
-
75
NimrodとOXO — 最初期のゲームプレイ計算機
1951年フェスティバル・オブ・ブリテンのニム専用機、EDSAC上の三目並べOXO、遊戯計算の起源
-
76
ストレイチーのチェッカー — 英国初期のゲームAI
Ferranti Mark I上のチェッカープログラム(1951-52)、ラブソング生成、初期プログラミング芸
-
77
自動定理証明 — 幾何定理証明機と論理の機械化
ゲレルンターの幾何定理証明機、補助線の発見、デイビス・パトナム手続き、証明探索の技法
-
78
レゾリューション原理 — ロビンソンの単一推論規則(1965)
導出原理、単一化アルゴリズム、節形式、反駁による証明、論理プログラミングの理論的基盤
-
79
Prolog — 論理プログラミングの誕生(1972)
コルメラウアーとコワルスキー、ホーン節、バックトラック、宣言的プログラミング、第五世代での採用
-
80
パターン認識の黎明 — OCRと統計的識別
文字認識研究、テンプレートマッチング、特徴抽出、最近傍法、ベイズ識別、初期の実用化
-
81
ADALINE — ウィドローとホフの適応線形素子
LMSアルゴリズム(1960)、勾配降下による重み更新、適応フィルタ、デルタ則、実用信号処理応用
-
82
ネオコグニトロン — 福島邦彦の階層視覚モデル
1979-80年発表、単純細胞と複雑細胞の階層、位置ずれ耐性、畳み込みニューラルネットの源流
-
83
グレイ・ウォルターの亀 — 初期の自律ロボット
ElmerとElsie、光走性行動、単純回路から生じる複雑行動、行動ベースロボティクスの先駆
-
84
アシュビーのホメオスタット — 適応する機械
『頭脳への設計』、超安定性、必要多様性の法則、知能増幅の構想、サイバネティクスの機械実装
-
85
メイシー会議 — 学際サイバネティクス運動
1946-53年の連続会議、ウィーナー、フォン・ノイマン、ミード、ベイトソン、循環的因果性の議論
-
86
チャイルドマシン構想 — チューリングの学習機械論
子どもの心を模した機械を教育する提案、報酬と罰、1948年「知的機械」論文、機械学習の予見
-
87
進化計算の源流 — ホランドと遺伝的アルゴリズム
適応システム理論、交叉・突然変異・選択、スキーマ定理、進化戦略、自然淘汰の計算モデル化
-
88
セルオートマトンとライフゲーム — 創発する計算
フォン・ノイマンの自己複製、コンウェイのライフゲーム、グライダー、単純規則からの複雑性創発
-
89
認知革命 — 心の計算理論と認知科学の成立
1956年前後の転換、チョムスキーの言語理論、ミラーの短期記憶研究、行動主義からの脱却
-
90
チューリングの死と名誉回復 — 訴追から恩赦まで
1952年の同性愛罪での有罪判決、1954年の死、2009年英政府謝罪、2013年恩赦、紙幣への採用
-
91
チューリング賞 — 計算機科学の最高栄誉
ACMが1966年創設、ミンスキー、マッカーシー、ニューウェル、サイモンらAI開拓者の受賞史
-
92
AI史の時代区分 — ブームと冬のサイクル論
黎明期、第一次・第二次ブーム、二度のAIの冬、深層学習期、期待曲線と資金循環の歴史分析
-
93
チューリングテストの現代的意義 — LLM時代の再評価
大規模言語モデルの対話能力、テストの妥当性再考、知能の操作的定義、ベンチマーク評価への系譜
-
94
ボット検出の現在 — 逆チューリングテストの攻防
SNSボット判定、AI生成文検出、ディープフェイク判別、人間性証明、検出と回避の軍拡競争
-
95
機械と意識の哲学 — クオリアと哲学的ゾンビ
意識のハードプロブレム、随伴現象説、機能主義、多重実現可能性、機械意識の判定不可能性論
-
96
映画・文学のチューリングテスト — 文化的表象
『2001年宇宙の旅』HAL、『ブレードランナー』フォークト=カンプフ検査、『イミテーション・ゲーム』
-
97
AI創始者たちの群像 — 人物史とオーラルヒストリー
ダートマス世代の回想録、研究所間の人脈、師弟関係、学会AAAIの設立、一次資料と伝記研究
-
98
初期AIの科学史研究 — 史料と歴史叙述の方法
技術史・科学社会学からのAI史研究、アーカイブ資料、資金機関の役割分析、神話化への批判的検討
-
99
チューリングテストとAIの萌芽 — 退避・古典資料archive
旧版資料、絶版文献、過去のカタログ項目など、現行分類から退避した歴史的資料の保管棚