W 12.08

歴史と記憶(口承・伝承・文化遺産)

100 区画
  1. 00

    歴史と記憶(口承・伝承・文化遺産) — 概要

    集合的記憶の理論から口承伝統・証言・記念碑・文化遺産制度まで、過去の想起と継承をめぐる領域を見渡す入門ガイド

  2. 01

    歴史と記憶 — 対立と補完の関係

    書かれた歴史と生きられた記憶、ノラの対比図式、記憶の史料化、歴史学の記憶論的転回

  3. 02

    集合的記憶 — アルヴァックスの理論

    記憶の社会的枠組み、集団が支える想起、個人記憶と集合記憶、記憶の現在性

  4. 03

    記憶の場 — ノラのリュー・ド・メモワール

    記憶の環境の消滅と記憶の場、象徴的トポス、国民的記憶の解剖、各国への波及

  5. 04

    文化的記憶論 — アスマン夫妻の枠組み

    コミュニケーション記憶と文化的記憶、想起の文化、正典と潜在的アーカイブ、記憶の媒体

  6. 05

    記憶研究の成立 — メモリー・スタディーズ

    学際領域としての形成、記憶ブームの背景、主要概念の整理、学術誌と研究動向

  7. 06

    個人の記憶と社会 — 想起の心理と文脈

    自伝的記憶、記憶の再構成性、フラッシュバルブ記憶、社会的リハーサル、偽記憶問題

  8. 07

    忘却の機能 — 忘れることの歴史

    忘却の形態、制度化された忘却、恩赦と忘却令、リクールの記憶・歴史・忘却

  9. 08

    口承伝統 — 無文字社会の歴史伝達

    口頭による過去の継承、伝承の担い手、世代間伝達、文字社会の中の口承

  10. 09

    口頭伝承の史料批判 — ヴァンシナの方法

    オーラル・トラディションの検証法、伝承の系譜、定型句と変異、時間深度の限界

  11. 10

    語り部と記憶の専門家 — 伝承の担い手たち

    グリオ、系譜語り、盲僧と瞽女、語りの職能、伝承者の権威と訓練

  12. 11

    口頭定型句理論 — パリーとロードの発見

    ホメロス問題、フォーミュラ、ユーゴスラヴィアの吟遊詩人、口頭作詩の仕組み

  13. 12

    叙事詩と英雄伝承 — 歌われる過去

    英雄叙事詩、歴史的核の問題、平家物語と語り、史実と文学的造形

  14. 13

    神話と歴史の境界 — 起源を語る物語

    神話的過去と歴史的過去、建国神話、神話の歴史化、エウヘメリズム、神話の機能

  15. 14

    伝説と説話 — 土地と人物の物語

    伝説の史実性問題、貴種流離譚、義経伝説、説話集の世界、伝説の生成と変容

  16. 15

    昔話研究 — 民間説話の比較と分類

    AT分類、モチーフ・インデックス、伝播と独立発生、昔話の社会的機能

  17. 16

    系譜伝承 — 祖先をたどる記憶

    始祖伝承、系図の作為、テレスコーピング、系譜が支える権利と身分

  18. 17

    地名と記憶 — 土地に刻まれた過去

    地名の由来伝承、災害地名、地名の改変と記憶の消去、地名研究の方法

  19. 18

    歌謡と記憶 — 歌い継がれる歴史

    民謡、労働歌、盆踊り唄、歌枕、歌による出来事の記憶化、プロテストソング

  20. 19

    儀礼と記憶 — 反復が支える想起

    コナトンの社会は如何に記憶するか、身体的実践、記念儀礼、儀礼的再演

  21. 20

    祭りと共同体の記憶 — 祝祭の歴史性

    祭礼の由来伝承、御柱と式年遷宮、周期的更新、祭りの中断と復興

  22. 21

    民俗学と記憶研究 — 柳田国男の遺産

    常民の伝承、口承文芸、遠野物語、民俗調査と記憶、民俗学と歴史学の対話

  23. 22

    オーラルヒストリーの成立 — 声の歴史学

    コロンビア大学プロジェクト、トンプソンの声の歴史、労働史・女性史への展開

  24. 23

    ライフヒストリー — 個人の語りから社会へ

    生活史調査、聞き書きの方法、主観性の価値、個人の語りと構造の接続

  25. 24

    戦争体験の語り — 従軍と銃後の記憶

    戦友会と手記、戦場体験の語りにくさ、体験の風化、継承の試み

  26. 25

    被爆体験と証言 — ヒロシマ・ナガサキの記憶

    被爆者の証言活動、原爆手記、被爆二世への継承、平和記念式典、証言の国際発信

  27. 26

    ホロコーストの証言 — 極限の記憶

    生存者証言、ショアー財団の映像アーカイブ、ランズマンのショアー、証言と歴史記述の緊張

  28. 27

    ポストメモリー — 継承される他者の記憶

    ハーシュの概念、第二世代の記憶、媒介された想起、家族写真と物語

  29. 28

    トラウマと記憶 — 語りえない過去

    心的外傷と想起の困難、PTSD、証言の断片性、トラウマの文化理論、回復と語り

  30. 29

    沈黙の意味 — 語られないことを読む

    抑圧された記憶、社会的沈黙、恥と汚名、沈黙の史料学、聞き手の責任

  31. 30

    加害の記憶 — 責任と想起

    加害者の沈黙と証言、世代間の責任、過去の克服、謝罪と記憶の政治

  32. 31

    植民地支配の記憶 — 帝国後の想起

    植民地責任、引揚者の記憶、旧植民地の記憶との非対称、脱植民地化された記憶へ

  33. 32

    奴隷制の記憶 — 大西洋の負の遺産

    奴隷貿易の記念、ゴレ島、奴隷制博物館、補償論争、アフリカ系ディアスポラの記憶

  34. 33

    先住民の記憶 — 奪われた歴史の回復

    口承史の法的証拠力、寄宿学校の記憶、真実和解委員会、アイヌの記憶の継承

  35. 34

    移民とディアスポラの記憶 — 越境する想起

    故郷の記憶、移民博物館、エスニック・コミュニティの記念行事、二重の帰属

  36. 35

    災害の記憶 — 天災を語り継ぐ

    津波碑と伝承、震災遺構、稲むらの火、防災教育への接続、風化との闘い

  37. 36

    疫病の記憶 — 見えない災厄の想起

    パンデミックの記憶の忘れられやすさ、スペイン風邪、慰霊と記録、コロナ禍の記録運動

  38. 37

    公害と環境破壊の記憶 — 犠牲の上の教訓

    水俣の記憶、語り部運動、資料館と伝承、被害者の尊厳と地域の分断

  39. 38

    記念碑とモニュメント — 石に託す記憶

    戦争記念碑、慰霊碑と顕彰碑、カウンターモニュメント、記念碑の言語と沈黙

  40. 39

    慰霊と追悼の空間 — 死者と生者の場

    無名戦士の墓、靖国と千鳥ヶ淵、追悼施設論争、慰霊の作法の変遷

  41. 40

    博物館と記憶 — 展示される過去

    歴史博物館の叙述、展示の政治学、論争的展示、エノラ・ゲイ論争、来館者の記憶

  42. 41

    戦争博物館と平和博物館 — 戦争をどう展示するか

    軍事博物館の系譜、平和博物館運動、加害展示をめぐる論争、体験の展示手法

  43. 42

    負の遺産 — ダークヘリテージの保存

    アウシュヴィッツ、原爆ドーム、ロベン島、負の記憶の世界遺産、保存の論理

  44. 43

    ダークツーリズム — 悲劇の地を訪ねる

    戦跡観光、慰霊と観光の緊張、教育的効果、消費される悲劇への批判

  45. 44

    記念日と国民的記憶 — カレンダーの政治

    建国記念日、終戦記念日、記念日の制定と論争、周年行事、記念日がつくる共同性

  46. 45

    国旗・国歌と記憶の象徴 — シンボルをめぐる抗争

    国民統合の象徴、シンボルの由来と論争、式典と身体、象徴への異議申し立て

  47. 46

    銅像と記念物の撤去 — 記憶の書き換え

    南部連合像論争、ロードス像撤去運動、社会主義像の行方、撤去か文脈化か

  48. 47

    記憶の国際政治 — 歴史認識の外交

    歴史認識問題、記憶をめぐる国家間対立、共同歴史研究、記憶の和解外交

  49. 48

    記憶と法 — 記憶法・否定罪・表現の自由

    ホロコースト否定処罰法、ゲソ法、記憶の立法化への歴史家の抗議、法と学問の緊張

  50. 49

    アーカイブと記憶 — 制度化された想起

    公文書館の記憶機能、記録の評価選別の政治性、アーカイブの沈黙、対抗アーカイブ

  51. 50

    家族の記憶 — 家に伝わる過去

    家譜と過去帳、仏壇と位牌、家族アルバム、形見の品、家族史調査の広がり

  52. 51

    写真と記憶 — 静止した時間

    記念写真の文化、遺影、写真の証言性と虚構性、バルトの明るい部屋、デジタル写真時代

  53. 52

    映画と歴史記憶 — スクリーンの上の過去

    歴史映画の記憶形成力、ショアーとシンドラーのリスト、映画的記憶の功罪

  54. 53

    テレビと記憶 — お茶の間の歴史

    ドキュメンタリー、終戦特番、大河ドラマ、アーカイブ映像の反復、視聴覚的集合記憶

  55. 54

    文学と記憶 — 書かれた想起

    戦争文学、証言文学、プルーストの無意志的記憶、記憶の文学的形象化

  56. 55

    マンガ・アニメ・ゲームと歴史記憶 — ポピュラー文化の想起力

    はだしのゲン、この世界の片隅に、歴史ゲームの記憶形成、娯楽と継承の交差

  57. 56

    デジタル記憶 — ネット時代の想起と忘却

    SNSの追悼、デジタル遺品、忘れられる権利、ウェブアーカイブ、記憶の外部化

  58. 57

    文化遺産の概念 — 有形・無形・記録

    文化財と文化遺産、遺産概念の拡大、有形遺産と無形遺産、記録遺産、遺産化の過程

  59. 58

    世界遺産条約 — 顕著な普遍的価値の制度

    1972年条約、登録基準、危機遺産、世界遺産の理念と登録競争、代表性の偏り

  60. 59

    無形文化遺産条約 — 生きた伝承の保護

    2003年条約、代表一覧表、コミュニティの中心性、無形遺産保護の日本モデルの影響

  61. 60

    世界の記憶 — 記録遺産の国際登録

    ユネスコ記憶遺産事業、山本作兵衛炭鉱記録画、登録をめぐる政治問題、記録の保存公開

  62. 61

    日本の文化財保護制度 — 法と体系

    文化財保護法、指定と登録、有形・無形・民俗・記念物、選定保存技術、制度の沿革

  63. 62

    文化的景観 — 人と自然の共作の遺産

    棚田と里山、文化的景観の概念、生きた景観の保全、変化の管理

  64. 63

    歴史的町並みの保存 — 面としての遺産

    伝統的建造物群保存地区、町並み保存運動、妻籠と白川郷、住民生活と保存の両立

  65. 64

    オーセンティシティ — 遺産の真実性

    ヴェネツィア憲章、奈良文書、材料の真正性と伝統の継続、木造文化圏の真実性概念

  66. 65

    インテグリティ — 遺産の完全性

    構成要素の充足、緩衝地帯、開発圧力、完全性評価の実際

  67. 66

    修復の思想 — 何をどこまで直すか

    ヴィオレ=ル=デュクの様式的修復、ラスキンの反修復、現状維持と復原、修復理念史

  68. 67

    保存憲章と国際原則 — イコモスの規範群

    アテネ憲章からブラ憲章へ、真実性・最小介入・可逆性、価値基盤型保存

  69. 68

    生きた遺産 — 使いながら守る

    リビングヘリテージ、信仰の場の継続、住み続ける遺産、凍結保存への批判

  70. 69

    無形の技の継承 — 人間国宝と伝承者養成

    重要無形文化財、保持者認定、後継者育成、技の記録化、伝承の担い手不足

  71. 70

    伝統芸能と記憶 — 演じられる過去

    能楽・歌舞伎・文楽の伝承、口伝と型、家元制度、古典芸能の再創造

  72. 71

    職人技術の継承 — 手わざの記憶

    宮大工と左官、伝統工芸、徒弟制、材料と道具の確保、選定保存技術

  73. 72

    食文化の遺産化 — 味の記憶

    和食のユネスコ登録、郷土料理の継承、食の記憶とアイデンティティ、遺産化の功罪

  74. 73

    遺産化のポリティクス — 誰の遺産か

    遺産の選定権力、公定遺産言説、コミュニティの声、遺産化による排除と包摂

  75. 74

    遺産と観光 — 保存と活用の緊張

    観光収入と保全、オーバーツーリズム、観光まちづくり、解説の質、持続可能な観光

  76. 75

    遺産の商品化 — 真正性の売買

    土産物と複製、テーマパーク化、演出された伝統、商品化と尊厳のバランス

  77. 76

    紛争と遺産破壊 — 標的にされる記憶

    バーミヤン大仏、パルミラ、文化浄化、ハーグ条約と保護の枠組み、破壊の記録

  78. 77

    文化財返還問題 — 略奪品の行方

    エルギン・マーブル、ベニン・ブロンズ、植民地期収集品、返還の法理と倫理、共同管理

  79. 78

    災害と遺産 — 救出と復旧

    文化財レスキュー、被災文化財の応急処置、首里城火災と再建、防災計画

  80. 79

    気候変動と遺産 — 迫りくる喪失

    海面上昇と沿岸遺産、ヴェネツィアの高潮、凍土融解、予防的保全と記録

  81. 80

    復元と再建 — 失われた遺産の再生

    ワルシャワ旧市街、首里城、復元の根拠と原則、推定復元の明示、再建の記憶効果

  82. 81

    デジタル遺産 — 仮想空間の保存と継承

    3Dデジタルアーカイブ、バーチャル復元、デジタルツイン、データの長期保存問題

  83. 82

    記録保存とドキュメンテーション — 遺産の履歴書

    実測と写真記録、修理報告書、遺産インベントリ、記録の標準化と公開

  84. 83

    エコミュージアム — 地域まるごと博物館

    現地保存の思想、コア・サテライト構成、住民参加、地域振興との連携

  85. 84

    コミュニティ・アーカイブ — 市民がつくる記録の場

    地域資料の収集、当事者による記録化、参加型アーカイブ、公的機関との協働

  86. 85

    パブリック・ヒストリーと記憶 — 共有される過去

    市民の歴史実践、共同での歴史制作、shared authority、記憶機関の役割

  87. 86

    家系調査と自分史 — 個人からの歴史参加

    ジェネアロジーの流行、ルーツ探し、自分史執筆、市民の記憶活動の広がり

  88. 87

    歴史教育と記憶の継承 — 学校が伝える過去

    教科書と集合的記憶、平和学習、地域学習、批判的思考と継承のバランス

  89. 88

    和解のための記憶事業 — 分断を越える想起

    共同追悼、独仏・独ポーランド教科書対話、記憶の共有化の試み、和解の困難と希望

  90. 89

    移行期正義と記憶 — 体制転換後の過去清算

    真実委員会、粛清と赦し、記録開放、犠牲者の名誉回復、社会の癒やしと分断

  91. 90

    記憶の倫理 — 想起の義務と権利

    記憶する義務の言説、忘れる権利、犠牲者への応答責任、マーゴリットの記憶の倫理

  92. 91

    競合する記憶 — 多方向的記憶の可能性

    犠牲の序列化問題、ロスバーグの多方向的記憶、記憶の競合から連帯へ

  93. 92

    グローバル記憶文化 — 越境する記憶

    ホロコーストのグローバル化、コスモポリタン記憶、記憶の標準化と土着化

  94. 93

    世代交代と記憶の変容 — 証言者なき時代へ

    体験者の高齢化、記憶の制度化、AIやホログラムによる証言保存、継承の再設計

  95. 94

    記憶研究の方法 — 想起を調べる技法

    記念行事の観察、メディア分析、インタビュー、記憶の場の分析、量的記憶研究

  96. 95

    記憶研究の古典 — アルヴァックスからアスマンへ

    集合的記憶、記憶の場、想起の文化、主要古典の読解と批判的継承

  97. 96

    戦跡の保存と活用 — 地上に残る戦争の記憶

    軍事遺跡の調査、掩体壕と防空壕、基地跡の保存運動、戦跡ガイド、負の記憶の現地学習

  98. 97

    聞き書き運動と地域の記憶 — 民衆史の実践

    地域女性史の聞き書き、炭鉱の記憶、生活記録運動、サークル誌、市民による記録化

  99. 98

    歴史と記憶の未来 — 想起の文化の再構築

    デジタル化する記憶、遺産概念の拡張、忘却との共存、開かれた継承のデザイン

  100. 99

    歴史と記憶(口承・伝承・文化遺産) — 退避・古典資料archive

    旧版教材、歴史的論文、廃止手法のアーカイブなど、現行分類から退避した資料の保管区分