-
00
公共政策・行政学 — 古典的行政学理論(ウェーバー官僚制理論) 概要
公共政策・行政学分野の古典的行政学理論(ウェーバー官僚制理論)領域の概要と入門ガイド
-
01
行政学 — 官僚制と公共経営
ウェーバー官僚制、NPM、協働型ガバナンス、デジタルガバメント
-
02
支配の三類型 — 合法的・伝統的・カリスマ的支配
ウェーバーが提示した支配の正統性の三類型を扱う。合法的支配・伝統的支配・カリスマ的支配それぞれの服従の根拠と、近代官僚制が合法的支配の純粋型とされる理由を整理する。
-
03
近代官僚制の構成要件 — 規則・権限・階統・文書
ウェーバーが挙げた近代官僚制の諸特徴(規則による職務配分、明確な権限、階統制、文書主義、専門訓練、専業性など)を体系的に解説する。各要件が組織の合理的運営にどう寄与するかを扱う。
-
04
理念型 — ウェーバー社会科学の概念構成法
現実を測定する思考上の純粋モデルとしての理念型の方法論を扱う。官僚制論が経験的記述ではなく理念型として構成されている意味と、その利用上の注意点を解説する。
-
05
合法的支配と官僚制 — 規則による支配の正統性
制定された規則への服従を正統性の根拠とする合法的支配の構造を扱う。人でなく規則に従うという原理が官僚制組織の権威関係をどう規定するかを解説する。
-
06
階統制の原理 — ヒエラルヒーと命令系統
上下の監督関係が段階的に構成される官職階統制の原理を扱う。指揮命令系統・審級制・上訴の経路など、階統構造が果たす調整と統制の機能を解説する。
-
07
文書主義 — 記録による職務執行と保存
職務執行が文書と記録に基づいて行われる文書主義の原理を扱う。行政の継続性・検証可能性を支える機能と、形式主義に転化する危険の両面を解説する。
-
08
専門性と資格任用 — 試験・訓練による官職への任用
専門的訓練と試験に基づく任用が近代官僚制の要件であることを扱う。専門知識が官僚の権力資源となる構造と、資格任用が縁故・情実を排除する意義を解説する。
-
09
没人格性 — 憤りも偏愛もない職務遂行
個人的感情や恣意を排し規則に即して事案を処理する没人格性の原理を扱う。公平性・予測可能性の確保という長所と、非人間性への批判の両面を解説する。
-
10
官僚制の技術的優位性 — 精確性・迅速性・継続性
ウェーバーが官僚制を他の組織形態に対して技術的に卓越するとした論拠を扱う。精確性・迅速性・明確性・継続性・費用節約などの観点から機械制生産との類比を解説する。
-
11
家産官僚制 — 前近代における官僚と主君
主君の家政の延長として官職が編成される家産制的支配を扱う。官職と私有の未分離・恣意的支配などの特徴を近代官僚制と対比し、歴史的移行の論点を解説する。
-
12
カリスマの日常化 — 支配形態の変容過程
非日常的なカリスマ的支配が後継者問題を通じて伝統化・合理化していく過程を扱う。運動体が組織へ転化する局面で官僚制化が進むメカニズムを解説する。
-
13
鉄の檻 — 合理化と近代人の運命
合理化の帰結として個人が官僚制的秩序に閉じ込められるというウェーバーの悲観的展望を扱う。「精神なき専門人」への警句と官僚制化の不可逆性をめぐる議論を解説する。
-
14
官僚制と民主主義 — 緊張関係の古典的定式
民主化が官僚制化を促進する一方、官僚制が民主的統制を掘り崩すという逆説を扱う。ウェーバーが示した議会による統制や政治指導の構想を解説する。
-
15
職業としての政治 — 政治家と官僚の役割分担
ウェーバーの講演「職業としての政治」に基づき、結果責任を負う政治家と規則に従う官僚の役割区分を扱う。心情倫理と責任倫理の対比、指導者選抜の問題を解説する。
-
16
官僚制と資本主義 — 合理的経営との親和性
近代資本主義の計算可能性の要求と官僚制的行政の合理性が相互に支え合う関係を扱う。市場経済の発展が官僚制化を促す構造をウェーバーの議論に即して解説する。
-
17
価値自由と目的合理性 — ウェーバー方法論の基礎
事実認識と価値判断を区別する価値自由の要請、および目的合理的行為と価値合理的行為の類型論を扱う。官僚制分析を支える行為論・方法論の基礎を解説する。
-
18
『経済と社会』 — 支配の社会学の体系
ウェーバーの主著『経済と社会』における支配の社会学の位置づけと構成を扱う。官僚制論が支配類型論・法社会学・宗教社会学とどう連関しているかを解説する。
-
19
政治行政二分論 — ウィルソン「行政の研究」
1887年のウィルソン論文を出発点とする政治と行政の分離論を扱う。行政を政治から切り離し能率的な執行の科学として確立しようとした問題意識と、その後の批判を解説する。
-
20
グッドナウ — 政治と行政の機能的区分
グッドナウ『政治と行政』における国家意思の表明としての政治と執行としての行政という機能区分を扱う。二分論の理論的精緻化と米国行政学成立への寄与を解説する。
-
21
テイラーの科学的管理法 — 時間動作研究と能率
課業管理・時間動作研究・差別出来高給などテイラー・システムの内容を扱う。「唯一最善の方法」の探求が行政管理と古典的組織論に与えた影響を解説する。
-
22
ファヨールの管理過程論 — 管理の一般原則
ファヨールが提示した管理の要素(計画・組織・命令・調整・統制)と14の管理原則を扱う。経営管理論としての体系が行政組織論に受容された経緯を解説する。
-
23
POSDCORB — ギューリックの管理機能論
ギューリックが定式化した執政の管理機能の頭字語POSDCORB(計画・組織・人事・指揮・調整・報告・予算)を扱う。行政管理論の集大成としての意義と限界を解説する。
-
24
アーウィックと古典的組織論 — 組織原理の体系化
アーウィックらによる組織編成原理の体系化の試みを扱う。『管理の科学論集』に代表される古典的組織論の到達点と、後のサイモンによる批判の前提を解説する。
-
25
命令一元化の原理 — 一人の上司からの命令
各構成員は一人の上司からのみ命令を受けるべきとする命令統一の原理を扱う。責任の明確化という利点と、テイラーの職能的職長制との対立点を解説する。
-
26
監督の限界 — 統制範囲をめぐる古典的論争
一人の監督者が有効に統制できる部下の数には限界があるとする原理を扱う。統制範囲と階層数のトレードオフ、適正範囲をめぐる古典的論争を解説する。
-
27
部門化の原理 — 目的・過程・顧客・地域による編成
組織を部門に分割する基準としての目的別・過程別・顧客別・地域別編成を扱う。ギューリックの4P論と各基準の長短、基準間の競合の問題を解説する。
-
28
ライン・スタッフ論 — 執行系統と補佐機能
命令系統に位置するライン組織と、助言・補佐を行うスタッフ組織の区分を扱う。参謀機能の発達と、ラインとスタッフの摩擦という古典的問題を解説する。
-
29
米国行政学の教科書時代 — ホワイトとウィロビー
1920年代に刊行されたホワイト『行政学入門』とウィロビーの行政学書を扱う。行政学が独立の学問分野として制度化されていく過程と正統教義の形成を解説する。
-
30
能率概念論 — 機械的能率と社会的能率
行政の指導価値としての能率概念の展開を扱う。投入産出比としての機械的能率と、ディモックが提唱した満足を基準とする社会的能率の対比を解説する。
-
31
ブラウンロー委員会 — 大統領府の行政管理改革
1937年報告「大統領は補佐を必要とする」で知られるブラウンロー委員会を扱う。行政管理論の実践としての大統領府創設と執政部強化の系譜を解説する。
-
32
フーバー委員会 — 行政機構改革の勧告
第二次大戦後の米国で行政部門の組織再編を勧告した第一次・第二次フーバー委員会を扱う。機構改革運動における古典的行政管理論の影響と限界を解説する。
-
33
猟官制 — スポイルズ・システムと政党政治
選挙の勝者が官職を党派的に分配する猟官制を扱う。ジャクソニアン・デモクラシー期の民主化の論理と、腐敗・非能率という弊害の顕在化を解説する。
-
34
ペンドルトン法 — メリット・システムの確立
1883年に米国で成立したペンドルトン法による資格任用制の導入を扱う。公開競争試験・政治的中立の原則と、人事委員会による猟官制克服の過程を解説する。
-
35
ノースコート=トレヴェリアン報告 — 英国公務員制度改革
1853年の報告書に基づく英国の情実任用制の廃止と公開競争試験の導入を扱う。恒久的中立的公務員制というイギリス型モデルの形成を解説する。
-
36
職業公務員制 — 身分保障と政治的中立
終身の職業として官職に従事する職業公務員制の原理を扱う。身分保障・年功的昇進・政治的中立が官僚制の継続性と専門性をどう支えるかを解説する。
-
37
ホーソン実験 — 人間関係論の登場
ウェスタン・エレクトリック社ホーソン工場での一連の実験を扱う。物理的条件よりも人間関係や注目が生産性を左右するという発見が古典理論に与えた衝撃を解説する。
-
38
メイヨーとレスリスバーガー — 非公式組織の発見
ホーソン実験を主導したメイヨーとレスリスバーガーの人間関係論を扱う。感情の論理と費用の論理の区別、職場集団の社会的機能の理論化を解説する。
-
39
公式組織と非公式組織 — 二重構造の組織観
規則と職制からなる公式組織と、自然発生的な人間関係からなる非公式組織の区別を扱う。非公式組織が公式組織の機能を支えも掘り崩しもする両義性を解説する。
-
40
バーナード組織論 — 協働体系と組織均衡
バーナード『経営者の役割』における協働体系としての組織観を扱う。共通目的・協働意欲・コミュニケーションの三要素と、誘因と貢献の均衡理論を解説する。
-
41
権威受容説 — 権威の源泉をめぐる転換
権威は命令の受け手の受容によって成立するというバーナードの権威受容説を扱う。上からの権威観を逆転させた意義と無関心圏の概念を解説する。
-
42
行政の諺 — サイモンによる古典的組織原理批判
サイモンが古典的組織原理を相互に矛盾する「諺」にすぎないと批判した議論を扱う。命令一元化と専門化の衝突など、原理の科学性への疑義を解説する。
-
43
サイモンの行政行動論 — 意思決定と限定合理性
サイモン『経営行動』を中心に、意思決定を組織分析の中核に据える理論転換を扱う。限定合理性・満足化基準・事実前提と価値前提の区別を解説する。
-
44
マートンの官僚制逆機能論 — 目的の転移
規則の遵守が自己目的化する目的の転移などマートンが定式化した官僚制の逆機能を扱う。構造がもたらす意図せざる結果という機能分析の枠組みを解説する。
-
45
訓練された無能力 — 官僚制的パーソナリティ
過去の訓練が新しい状況への対応を妨げる訓練された無能力の概念を扱う。規則への過同調が生む官僚制的パーソナリティと顧客との摩擦を解説する。
-
46
グールドナーの産業官僚制研究 — 規則の諸機能
グールドナーの石膏工場研究に基づく官僚制化の動態分析を扱う。代表的官僚制・懲罰的官僚制・模擬的官僚制の区別と、規則が果たす潜在的機能を解説する。
-
47
セルズニックのTVA研究 — 制度化と目標の置換
セルズニックによるテネシー川流域開発公社の実証研究を扱う。地域勢力の取り込み(コオプテーション)が組織目標を変質させる過程と制度化の理論を解説する。
-
48
ブラウの官僚制実証研究 — 動態としての官僚制
ブラウによる行政機関の参与観察研究を扱う。公式規則からの逸脱が組織目標の達成に寄与する場合があるという発見と、官僚制の動態的把握を解説する。
-
49
ミヘルスの寡頭制の鉄則 — 組織と少数支配
ミヘルス『政党社会学』が示した、組織化が必然的に少数者支配を生むという寡頭制の鉄則を扱う。民主的組織の官僚制化という逆説を解説する。
-
50
パーキンソンの法則 — 官僚組織の自己膨張
仕事量と無関係に職員数が増大するというパーキンソンの法則を扱う。部下増加の力学と官僚制の自己増殖傾向をめぐる風刺的観察とその含意を解説する。
-
51
レッドテープ — 形式主義と繁文縟礼
過剰な手続と書類が行政を停滞させるレッドテープの問題を扱う。文書主義の逆機能としての形式主義と、統制の必要とのバランスをめぐる議論を解説する。
-
52
セクショナリズム — 割拠主義と縄張り意識
部局が自己の権限と利益に固執し全体調整を妨げるセクショナリズムを扱う。部門化の原理が生む構造的帰結としての割拠性と調整メカニズムを解説する。
-
53
官僚支配論 — テクノクラシーと専門家支配
専門知識を独占する官僚・技術者が実質的な支配者となるという官僚支配・テクノクラシー論を扱う。ウェーバーの官僚支配への懸念からの系譜を解説する。
-
54
行政の政治的中立性 — 中立性原理の理論
官僚はいかなる政権にも等しく奉仕すべきとする政治的中立性の原理を扱う。匿名性・中立性・永続性からなる古典的公務員像とその動揺を解説する。
-
55
政官関係論 — 政治家と官僚の相互作用
政治家と官僚の役割分担と相互作用の類型を扱う。二分論的な分離モデルから、政策形成における官僚の実質的関与を認める諸モデルへの展開を解説する。
-
56
行政責任論争 — フリードリッヒ対ファイナー
行政責任の本質をめぐる1940年前後の古典的論争を扱う。専門的基準と民衆感情への応答を重視するフリードリッヒと、外在的な議会統制を重視するファイナーの対立を解説する。
-
57
統制論の系譜 — 官僚制をどう縛るか
行政を統制する主体と方法の類型論を扱う。議会・裁判所・執政による外在的統制と、階統制・職業倫理などの内在的統制の組み合わせを解説する。
-
58
議会による行政統制 — 立法府と官僚制
法律・予算・調査権を通じた議会の行政統制を扱う。ウェーバーが官僚支配への対抗手段として議会統制を重視した議論と、その実効性の限界を解説する。
-
59
行政裁量 — 規則と裁量の緊張関係
規則が全ての事案を規律できないことから生じる行政裁量の問題を扱う。裁量の不可避性と統制の必要という古典的行政学以来の中心的緊張を解説する。
-
60
法治行政の原理 — 法律による行政
行政活動は法律に基づき法律に従って行われるべきとする法治行政の原理を扱う。合法的支配の法学的表現としての位置づけと官僚制の合法性志向を解説する。
-
61
集権と分権 — 行政組織の構造原理
決定権限を中枢に集中させる集権と下位単位に委ねる分権の対抗原理を扱う。統一性と適応性のトレードオフ、委任と統制の設計問題を解説する。
-
62
独任制と合議制 — 行政機関の意思決定形態
一人の長が決定する独任制と複数構成員の合議による合議制の対比を扱う。責任の明確性と慎重さ・公正さの確保という各形態の長短を解説する。
-
63
官房学 — カメラリズムとドイツ行政学の源流
17〜18世紀ドイツで発達した君主の統治術としての官房学(カメラリズム)を扱う。財政・警察・経済を包括する実用学問と、近代行政学への系譜を解説する。
-
64
シュタイン行政学 — 憲政と行政の理論
19世紀のローレンツ・フォン・シュタインによる行政学の体系化を扱う。憲政と行政の相互規定関係の理論と、ドイツ行政学の展開における位置を解説する。
-
65
大陸型と英米型 — 行政学の二つの系譜
官房学・行政法学を基盤とする大陸型と、管理論を基盤とする英米型の行政学の系譜を対比する。両伝統の交錯としての現代行政学の成立を解説する。
-
66
プロイセン官僚制 — 近代官僚制の歴史的モデル
近代官僚制の典型とされるプロイセンの官僚制度を扱う。試験任用・法学教育・規律の伝統がウェーバーの官僚制像の経験的背景となったことを解説する。
-
67
科挙制度 — 前近代中国の試験任用
隋唐から清末まで続いた中国の官吏登用試験制度を扱う。試験による任用の早期の大規模実例としての意義と、近代的資格任用制との異同を解説する。
-
68
名望家行政 — アマチュアリズムから専門行政へ
地域の名望家が無給・非専門で行政を担う名望家行政を扱う。ウェーバーが官僚制行政の対比項とした名誉職行政の特徴と、専門官僚制への移行を解説する。
-
69
日本の官僚制研究 — 辻清明と戦後行政学
辻清明『日本官僚制の研究』に代表される戦後日本の官僚制分析を扱う。戦前官僚制の特権的性格と民主化の課題という問題設定、日本行政学の形成を解説する。
-
70
稟議制 — 日本的意思決定様式の分析
下位者が起案し関係部局の押印を経て決裁に至る稟議制を扱う。合意形成と責任分散という特徴づけをめぐる論争と、日本の行政組織論での位置を解説する。
-
71
明治官僚制の形成 — 日本の官吏制度
明治期における文官任用制度・官吏服務規律など日本近代官僚制の形成過程を扱う。天皇の官吏という位置づけからプロイセン型制度の導入までを解説する。
-
72
クロジエ『官僚制現象』 — フランス組織社会学
クロジエによるフランスの官庁・公企業の実証研究を扱う。規則の増殖と不確実性の領域をめぐる権力ゲーム、悪循環としての官僚制という分析枠組みを解説する。
-
73
ダウンズの官僚制論 — 官僚の行動類型
ダウンズ『官僚制の内幕』における合理的選択アプローチの官僚制分析を扱う。出世主義者・保身者など官僚の行動類型論と組織のライフサイクル仮説を解説する。
-
74
官僚の行動仮定 — 官僚制理論への経済学的挑戦
官僚を予算最大化を追求する主体とみなすニスカネンの経済学的モデルを扱う。予算極大化仮説の論理と過大供給の帰結、後の修正・批判を解説する。
-
75
ブラウ=スコットの組織類型論 — 受益者基準の分類
主たる受益者が誰かを基準とするブラウとスコットの組織分類を扱う。互益組織・営利組織・サービス組織・公益組織の四類型と行政組織の位置を解説する。
-
76
エチオーニの組織類型論 — 服従構造による分類
権力の種類と関与の様式の組み合わせで組織を分類するエチオーニの服従理論を扱う。強制的・功利的・規範的組織の類型と官僚制分析への応用を解説する。
-
77
組織規模と官僚制化 — 構造の実証研究
組織規模と分業・階層・管理比率などの構造特性の関係を扱う。ブラウらの比較組織研究やアストン研究など、官僚制化の規定要因の実証分析を解説する。
-
78
専門職と官僚制 — プロフェッショナリズムの緊張
医師・技術者など専門職の自律性と官僚制的統制の衝突を扱う。専門職的権威と階統的権威という二つの正統性原理の緊張と調整を解説する。
-
79
代表的官僚制 — キングズレーと社会的代表性
官僚集団の社会的構成が社会全体を反映すべきとするキングズレー以来の代表的官僚制論を扱う。受動的代表と能動的代表の区別、応答性確保の理論を解説する。
-
80
成績主義の展開 — メリット・システムの制度化
能力と実績に基づく任用・昇進を原則とする成績主義の制度化過程を扱う。試験制度・職階制・人事行政機関の整備と、政治的介入からの人事の保護を解説する。
-
81
官職と身分保障 — 官吏の法的地位
官職の占有ではなく職務として官吏が任用される近代的官職観念を扱う。恣意的免職からの保護としての身分保障と、特権化の危険という両面を解説する。
-
82
官僚の職業倫理 — 天職としての官職
官職への献身を天職(Beruf)とみなすウェーバーの官僚倫理論を扱う。命令への服従を名誉とする官僚の倫理と、政治家の責任倫理との対比を解説する。
-
83
支配の正統性 — 正当性信念と服従の根拠
支配が安定するには被支配者の正当性信念が必要だとするウェーバーの正統性論を扱う。強制や利害だけでは持続しない支配の構造と官僚制の関係を解説する。
-
84
合理化テーゼ — 世界の脱呪術化と近代
西洋近代を貫く合理化の過程というウェーバーの巨視的テーゼを扱う。脱呪術化・計算可能性の拡大の帰結として官僚制化を位置づける視座を解説する。
-
85
ウェーバー受容史 — 日本における官僚制論の展開
日本の社会科学におけるウェーバー研究と官僚制論の受容を扱う。戦後啓蒙期の近代化論との結びつきから行政学・社会学での展開までを解説する。
-
86
独立規制委員会 — 行政委員会制度の系譜
米国で発達した独立規制委員会と行政委員会制度を扱う。政治からの独立と専門性の確保という設立理念、第四部門批判と各国への移植を解説する。
-
87
行政学の成立と正統教義 — 学問的自己同一性
19世紀末から20世紀前半にかけて行政学が独立の学問分野として成立する過程を扱う。政治行政二分論と能率主義からなる正統教義の形成と動揺を解説する。
-
88
官僚制の権力資源 — 情報・専門知識・永続性
官僚制が政治に対して持つ権力の源泉を扱う。専門知識・職務知識の独占、組織の永続性、情報の非対称性がもたらす優位をウェーバー以来の議論で解説する。
-
89
官僚制批判の系譜 — 自由主義からの批判
ミーゼス『官僚制』など市場の観点からの官僚制批判の系譜を扱う。利潤計算の不在が官僚制管理を不可避にするという議論と、政府膨張への警告を解説する。
-
90
官僚制の国際比較 — 各国行政制度の類型
英米型・大陸型・日本型など各国官僚制の比較分析を扱う。キャリア・システムの構造、政官関係、任用原理の違いから官僚制の多様性を解説する。
-
91
ストリートレベル官僚制 — 第一線職員の裁量
リプスキーが提起した、市民と直接接する第一線職員の裁量行動の分析を扱う。資源制約下の対処戦略が事実上の政策を形成するという視角を解説する。
-
92
ポスト官僚制論 — アドホクラシーと脱官僚制
階統制と規則に依存しない柔軟な組織形態を構想するポスト官僚制論を扱う。アドホクラシーやネットワーク型組織の議論と、官僚制の残存をめぐる論争を解説する。
-
93
NPMと官僚制批判 — 管理主義からの再検討
1980年代以降のニュー・パブリック・マネジメントによる官僚制批判を扱う。市場メカニズムと成果志向の導入が古典的官僚制モデルに投げかけた挑戦と反批判を解説する。
-
94
官僚制の文学的表象 — カフカ的世界と組織
カフカの小説に代表される官僚制の文学的・文化的表象を扱う。不透明な手続と匿名的権力のイメージが官僚制理解に与えた影響を学際的に解説する。
-
95
官僚制とジェンダー — 組織の性別構造
官僚制組織における性別分業と昇進格差の分析を扱う。中立的とされる官僚制構造に埋め込まれたジェンダー非対称性をめぐる組織論・フェミニズム研究を解説する。
-
96
電子政府と官僚制 — 文書主義のデジタル化
情報技術の導入が官僚制の文書主義・階統制に与える影響を扱う。電子的な記録・決裁への移行と、官僚制原理の存続・変容をめぐる議論を解説する。
-
97
官僚制と組織社会学 — 学際的展開
ウェーバー官僚制論を出発点とする組織社会学の展開を扱う。コンティンジェンシー理論や新制度派組織論など、官僚制モデルを相対化した後続理論との接続を解説する。
-
98
歴史社会学と官僚制 — 国家形成論との接点
近代国家形成の過程で官僚制がどのように構築されたかを問う歴史社会学的研究を扱う。徴税・戦争・領域統治と官僚制発達の関係をめぐる比較史的議論を解説する。
-
99
旧分類・歴史的経緯 — 本区画の退避枠archive
本区画(古典的行政学理論)の分類変更に伴う旧分類項目や歴史的経緯の記録を退避させるための枠。現行の中核サブトピックには含めない資料を保持する。